緑の革命は、1960年から1990年ごろにかけて、途上世界の農業生産性が大幅に向上した時期を表現するのに使われる用語です。
この30年ほどの間に、世界の多くの地域で、特にアジアとラテンアメリカで主要な穀物(コメ、小麦、トウモロコシ)の収量は倍以上になりました。他の作物に関しても、大きな収量増加がありました。
この革命を引き起こしたのは何だったのでしょうか?
主として、先進国、途上国の両方の政府が農業研究に大きな投資を行ったためです。最新の科学が食料生産を増やす方法を探るために導入され、農業のやり方を抜本的に変えました。
集中的な育種と選別によって、高収量の穀物品種、生産性の高い家畜品種が開発されました。また、農薬や肥料といった農業用化学製品の開発も大きく進みました。
そしてこの革命を農民たちの農場へ直接に持ち込むために、各国政府はこうした新しい農法や技術を使うように奨励し、生産者たちを支援しました。
当初、この革命はたいへん大きな成功だと考えられていました。人口が増え、食料への要求が増大していく中で、食料供給も増加しました。食料価格は安定していました。
ところが、1990年代に入り、緑の革命の大波が大きな代償を伴っていたことが分かったのです。
緑の革命のつけは何だったのでしょうか?
1つは、農業の多様性の多くを失ったことです。農民たちが改良された穀物品種を栽培し、新しい家畜品種を育てることを選んだ時、多くの伝統的な在来種は放棄され消滅してしまいました。多様性についてもっと見てみましょう。
また、多くの国で、農薬や農業用化学製品を広範に使用したことから深刻な環境汚染が発生し、人々の健康にも危険が及びました。農薬についてもっと見てみましょう。
緑の革命の農法は、大規模なかんがいも必要とします。その結果、世界の水資源は逼迫しています。農業と水について見てみましょう。
最後に、農業生産性が高まったにもかかわらず、飢えは今も続いています。緑の革命の成果を利用するためには、農民たちには資金と土地、水といった資源へのアクセスが必要なのです。それらを持っていない貧しい農民たちは、緑の革命から取り残されました。実際には、多くの人々はさらに貧しくなりました。
世界の国々が必要に見合う食料供給を確実に続けていけるように支援することが、FAOの使命です。
しかし、緑の革命は、生産性に注目するだけでは不十分なことを教えてくれました。飢えを最終的に終わらせるためには、食料生産を持続的なものにする必要があります。これは、一人も食卓から排除されないこと、そして将来の世代は飢えにおちいる危険にさらされないことを意味します。
すべての人に食料が永遠にあるためにFAOが行っていることをみてみましょう。
