FAOのしごと :: デジタル・デバイド(情報格差)

ちょうど今、あなたがやっていることを大体当ててみましょう。まず、インターネットに接続していますね。そして、FAOがどんな組織で、どんなことをしているのかを調べていますね。

この予想をするのに天才である必要はありません。しかし、おそらくインターネットは、FAOが加盟国、援助機関そして広く一般の人々に情報を伝えるのに使う最も重要なツールになっていることを指摘したかったのです。

残念なことに、途上国の圧倒的多数の人々はインターネットに接続していません。先進国と途上国の間にあるインターネット接続に関する途方もないギャップは、「デジタル・デバイド(情報格差)」と呼ばれています。貧困と飢えがもっとも厳しい農村部の農業に従事する人々のコミュニティにとって、デジタル・デバイド(情報格差)はさらに大きく、飢えと貧困に対する闘いの障害になっているのです。 FAOは「農村部のデジタル・デバイド(情報格差)」と呼ばれる状態を克服することに努めています。たとえば、FAOは途上国が農村部のコミュニティにインターネット・アクセス・ポイントを設置することを支援しています。

しかし、インターネットに誰もがアクセスできることが世界の飢えをなくす特効薬になるわけではありません。そんな目標に到達しようとすることは現実的とも言えないでしょう。コンピューターは私達の生活、教育そしてビジネスの大きな要素になりました、でも、コンピューターだけが情報を得るための唯一の手段ではありません。私たちは、TVを見ていますし、ラジオを聞いていますし、本・新聞・雑誌を読んでいます。親や教師、友人たちと話をしてもいます。

ですから、FAOは、加盟国が農村部のコミュニティをインターネットにアクセスさせることを支援しているだけではないのです。FAOは、新しい情報技術が、伝統があって信頼されている地域の情報源に役立つようにしようと取り組んでいます。たとえば、アフリカでは、地域のラジオ局をインターネットにアクセスさせるプロジェクトに関わっています。放送局が実用的なニュースや情報を地域の言語に翻訳し数百万の農民たちに伝えていくというプロジェクトです。

インターネットを活用する

あなたはインターネットに接続して、FAOについて今、調べています。誰もが同じようにできれば、すごいことでしょうね。しかし、インターネットは情報を得るだけのものではありません。情報を共有することにも使えます。双方向性があるのです。世界から飢えをなくしていこうとする時、新しいやり方でお互いにつながっていかなくてはなりません。

人々が互いにつながっていく方法の一つとして、FAOはインターネットを使った電子会議を開催しています。電子会議を使えば、世界中のどこからでもバーチャル・フォーラムに参加することができ、農業や飢えに関する重要な技術的課題について討論することができます。

ところで、インターネットを使い、バーチャル・コミュニティの中で情報を共有しようとすると、少しややこしいことが起きます。もう経験しているかもしれませんね。どこにどうやってファイルを保存するのかに注意していないと、ファイルがどこへ行ってしまったのか分からなくなり、話についていけなくなってしまうのです(あなたも痛い目にあったことがあるでしょう)。また、コミュニティの中で、ファイルを活用して欲しいと思うのであれば、誰しもが使えるファイル形式にしなければなりません。さらに、コンピュータと保存した情報を安全に保つためには、ウイルスから守る方法も知らなくてはなりません。

途上国の政府や機関にとっても、同じことが求められます。政府や機関が(インターネット上の)ネットワークに参加すればするほど、膨大な量の情報を処理しなければなりません。「農村部のデジタル・デバイド(情報格差)」に橋渡しをする取り組みの一環として、FAOは、途上国が農業、食料生産、飢えに関する情報を効果的で、あまり費用をかけずにまた安全に管理、共有する支援を行っています。

たとえば、FAOはエルサルバドル政府と協力して、インターネットを使った自然災害早期警報システムを開発しました。エジプトでは、FAOの支援を受け、農業研究者や普及員が農村部の村や地区を本部インターネット経由で結び、重要な技術情報を活発に交換し合っています。

ネットワークを構築する

開発途上地域全域で、あらゆる種類の農村開発団体、農民組織、環境組織がどんどんウェブにつながるようになっています。「農村部のデジタル・デバイド(情報格差)」に橋渡しをする取り組みの重要な活動として、これらのさまざまな団体をつなぐしっかりした情報とコミュニケーションのネットワーク構築支援があります。こうしたネットワークは、何が役立ち何が役立たなかったかという経験と成功事例を共有していく機会を提供します。

FAOの目標は、農村部のコミュニティ同士がつながり合い、インターネットで入手できる情報がコミュニティの人々のニーズを反映したものであるようにすることです。

© FAO, 2008