生物多様性とはいったい何でしょうか?

生物多様性ということばは、「生物の」と「多様性」の2つのことばの組み合わせです。

それは、地球上のすべての生物の多様な違いを意味しています。犬、リンゴといった、植物や動物の種だけではなく、ビーグル犬、ゴールデン・デリシャスといった同じ種の中の違いも意味しています。さらには、ビーグル犬ごとの違い、ゴールデン・デリシャスごとの違いにも関わっています。世界にはたくさんの生物多様性があります。そしてそれはよいことです。

農業の生物多様性は、食料や繊維にするために育てている植物や動物の遺伝子の多様さのことです。新しい品種を開発するために使う遺伝子の素材は、遺伝資源と呼ばれています。

いろいろなことを学びましたね。では、生物多様性クイズをやってみましょう。

農業の生物多様性はなぜ重要なのか?

なぜわざわざ生物多様性を保護しようするのですか?いい質問ですね。以下が回答です。 遺伝資源が減っていくことは、農業の成長と革新の機会が減ることを意味します。そして食料生産を人口増加に追いつかせようとすれば、まさに成長と革新が必要なのです。食料供給が伸びていかなければ、大問題が発生します。

生物多様性を失うことは成長の機会を失うことであるだけでなく、食料供給を危うくします。農業は、地球温暖化、新しい害虫や病気の発生といった環境の変化に対応できなくなってきています。もし現在の食料供給が環境の変化に対応できなくなると、本当に大変なことになります。

これらの資源を守り、持続可能なやり方で使われるようにすることは何にもまして重要なことなのです。加盟国が生物多様性を保全し適切に使うことを支援することは、FAOの活動の優先事項の一つです。

農業の生物多様性を保全するにあたって第一に関わるのは世界中の農民たちです。豊かな農民たちだけでなく、世界で最も貧しい農民たちも遺伝資源の世界的な蓄積を保全し発展させていくために重要な役割を果たしています。しかし、彼らが果たしている役割は、常にきちんと認識されてきたとは限りません。FAOが農民の権利を守るために何を行っているのか見てみましょう。

何が危険か?

残念なことに、多くの生物多様性がこの20‐30年の間に失われました。農業生産と収益の増加をめざす動きは、限られた数の高収量穀物品種や生産性の高い動物品種への依存を生み出しました。これが「緑の革命」のもう一つの遺産です。

「緑の革命」についてもっと見てみましょう。

かつてのようにさまざまな種類の作物を植える代わりに、多くの農民たちは単一の換金作物の栽培に専念するようになりました。これは単一栽培と呼ばれ、その結果、世界の農業の生物多様性が大きく失われました。

単一栽培作物はたいてい伝統的な品種のハイブリッドです。改良品種はより多くの収量があります。したがって、農民たちはわざわざ昔からの品種を栽培しようとはしません。そして昔からの品種は、いつのまにか無くなってしまいます。伝統的な農業では農民たちはさまざまな種類の作物を育てる傾向がありました。また、同時に家畜も飼っていました。単一栽培の広がりとともに、伝統的農法はあちこちで放棄されました。作物、動物の品種の多くはたいていそのまま消えていくに任されました。この消滅は「絶滅」として知られる、最終的なものです。

しかし生物多様性は世界の農場で失われているだけではありません。森林は、おそらく最も重要な生物多様性の宝庫です。しかし、毎年、何千ヘクタールもの森林が失われています。

世界の海洋、湖、河川は生命でいっぱいです。しかし、乱獲、環境破壊的な漁業によって水生生物多様性も危機に瀕しています。

FAOは加盟国と協力して、世界の遺伝子資源を守る取り組みを行っています。

FAOは虫が大好き!

虫は働き者です。実際、すべての昆虫、バクテリア、微生物、菌類、など、地中に暮らすすべての生命体は働き者です。それらはさまざまな複雑で不思議なやり方でお互いに関わり合っています。それらの静かで、着実な働きのおかげで土壌は肥沃になり、農民たちは食料を育てることができます。だから皆さん、土の中でのろのろはい回る虫を応援しましょう!土の中の生物多様性のために応援しましょう!

しかし、土壌の中の生物多様性を守るのは大変なことです。化学農薬と肥料そして過剰な耕作によって、多くの地中生物が死んでしまいます。土壌の中の生物多様性を尊重せず活用しない農法は持続可能ではありません。


Photo: USDA/ARS/S. Bauer
© FAO, 2008